「かわいいね。名前は何ていうの?」そう話かけながら何度も何度もセラピードッグの頭をなでるご利用者さん。見ると、目にはうっすらと涙を浮かべていらっしゃいます。私達が運営するグループホームは、認知症のお年寄りが安心して暮らすことのできる生活の場所です。認知症の方々はその症状の進行と共に、孤独や寂しさを感じ、いつしか表情が乏しくなってしまうことがあります。セラピードッグには、そうした人の心を開放し、素直な感情を引き出してくれる不思議な力があると言われています。シティウイングでは、ご利用者の方々に少しでも心の安らぎを感じて頂けるように、ご利用者が集まるフロアーに5.6匹のセラピードッグを招き、約1時間のふれあいの活動を設けています。活動を重ねる度に、会話でのコミュニケーションが難しいご利用者が、犬たちに、差し出した手のひらを舐められながら、昔の飼い犬の話を始められるなどの場面に出会い驚きを感じています。徘徊や暴力行為といった周辺症状などは、周囲への緊張や不安、寂しさがその背景にあると言われます。そうしたご利用者に、あどけない顔で体を寄せてきては、顔や手などを舐めまわしてくるセラピードッグ達。動物だからこそできる触れ合いのコミュニケーションが、ご利用者の心を癒してくれるのでしょう。はな子もセラピードッグとして、また、さくらもセラピードッグを目指してご利用者の心のケアが出来るように頑張っています。 |
はな子 はな子は、前任の金子理事長が、シティウイングでもセラピードッグを育成しようと目に留めた、グレートピレニーズという大型犬です。別名は「ピレニアン・マウンテン・ドッグ」。純白で40キロもある巨体は圧倒的な存在感がありますが、性格はとても優しく、飼い主や家族を包み込むような愛情で見守ってくれます。「ピレニーズ」の名の通り、故郷はフランスとスペインの国境を東西に走るピレネー山脈。山間部の厳しい寒さに耐えられるよう、厚く密生したふわふわのコートをまとっています。羊を守る犬として活躍してきたため、とても利口で高い責任感を持っているはずなんですが・・・セラピードッグの活動の日、始めは自分の使命を頑張ってくれますが、後半はドテッと顔を床につけて、皆の様子をじっ~と眺めています。かわいすぎて、甘やかして育ててしまったかな。 |
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さくら “さくら”は、はな子の2代目。有名ダンスユニットではありませんが、はな子の人気にあやかって、さくらもセラピードッグを目指して日々頑張っています。と言いたいところですが、これまた、はな子にも増して元気いっぱい。女の子なのに、見るもの聞こえるもの何にでも興味を持っては、ワンワン、ワンワンと大鳴きです。それ故、番犬?としてソレイユの丘 佐倉のロビーに素敵なお家を作ってもらい、活躍の場が与えられました。もともとこの犬種は、飼い主を守るために、見慣れない人には大きな声でその危険を知らせるようです。ですからいつも一緒にいるスタッフや入居者には吠えたりしません。入居者はさくらの家に来ては「かわいいね。かわいいね。」と声をかけてくれるので一安心。散歩中も地域の皆さんから「さくらちゃ~ん」と可愛がられ、今ではソレイユの丘 佐倉の看板犬として大活躍です。 |
左からりゅうたろう・プリンセスとりゅうたろう・ニコ
左からみか・れもん・だいだい